映画「スポットライト〜世紀のスクープ〜」を見て

 

久しぶりの社会派映画を地元のMOVIXにて拝見。

舞台は、アメリカ東海岸の有数都市ボストン。

地元紙ボストン・グローブの調査報道班"スポットライト"所属記者4人が、羨望の眼差しであり、既得権益であり、そして地域社会に深く根付いているカトリック教会に隠された暗部に対しスポットを"当てる"ことで、全米のみらず世界のキリスト教徒を震撼させた事実をベースにしている。

2016年アカデミー作品賞及び脚本賞のダブル受賞作品。

地道に足で稼ぐ取材にて、数十人(最終的には数百人までに及ぶ)神父が、子どもたちに対し性的虐待している事実を浮かび上がらせた。

spotlight-scoop.com

枢機卿大司教らといった教会関係者は、数十年前からこの事実を知っていたにも関わらず、問題のある神父を何度も転勤させる一方で隠蔽を図り、被害者らに対し地元の弁護士らを使い示談へ持ち込ませた。あくまでも一神父の過ちとして処理し、教会組織の関与を決して表沙汰にさせなかった。だが、ニューヨークから来た新編集局長の指示により、スポットライトチームはこの難題に立ち向かう。

映画に夢中になると、自分の姿を重ねて陶酔してしまうとどこかで読んだことがあるが、見終わった後にまさしくそんな経験をしました。

時として地元愛がマイナスに働くこともあると、この映画を見てよく理解できました。

Information Technologyがどれだけ発達したとしても、人が介在する事件/事故を突き詰めるのは、直接キーパーソンに会うといった地味な取材活動は欠かせない。

華やかさはないけれど、苦しい中でも諦めずに続けていけば一筋の光が灯される、そんなことを教えてくれた作品でした。